オリンピックレガシー
2度目の東京オリンピックが開催されました。緊急事態宣言下での開催には賛否両論ありましたが、やはり世界的なスポーツの祭典が自国で催され、更に、テレビをつければ昼夜熱戦が繰り広げられているという日々は、とても楽しく、嬉しく、気分が高揚しました。
国立競技場の建て替えをはじめとして、オリンピックの開催に向けて、日本は様々な準備をしてきました。有明アリーナやアクアティクスセンター等、いくつもの競技場が新設され、晴海エリアには選手村として21の宿泊棟が建設されました。これらの施設は、オリンピックによって生じた遺産であるオリンピックレガシーと呼ばれ、無論オリンピック終了後も有効に活用されます。
オリンピックレガシーには、オリンピック施設やインフラ整備等目に見える有形遺産のほか、オリンピックを開催することによる経済効果や、スポーツ振興等の無形遺産があります。東京2020オリンピックのレガシーは、1物理的レガシー、2スポーツのレガシー、3持続可能なレガシーの3本柱となっており、物理的レガシーとしては、前述のオリンピック施設のほか、地下鉄の無料Wi-fi化など通信インフラの整備、選手村の水素タウン化計画等が該当します。スポーツのレガシーとしては、スポーツ人口の拡大や健康的なライフスタイルの確立等、持続可能なレガシーとしては、植樹による都市の緑化や、電線類の地中化等が進められました。東京大会の予算は史上最大規模となることが確実視されており、言うまでもなく、これによって都市の発展は加速しました。その恩恵を後世にどう活かしてゆくかが、今後の課題となります。
色々な制限がある中、どんな状況でも目の前の勝負に全力で挑む選手の姿は、感動的であり、圧巻であり、改めてスポーツの素晴らしさを実感しました。無観客の中で行われた静かなオリンピックでしたが、きっと、生涯忘れられないオリンピックになるのだと思います。(祐紀)