花火大会をやめないで
手のひらくらいのサイズですが、自宅の窓から、市が開催する花火大会の花火が観えます。そのことに気づいた時はとても嬉しく、以来、開催日が決定するのを毎年心待ちにしています。しかし、夏の風物詩である花火大会ですが、年々全国的に、中止または規模の縮小が相次いでいるようです。2020年~2022年はコロナ禍によりその多くが中止となったことは記憶に新しいですが、新型コロナウイルスが5類に移行して一年以上が経った今年も、中止のまま再開されない花火大会が多く、行楽情報サイトによると、2024年は全国22会場で中止が決まっているそうです。花火大会は、地域を活性化させる貴重な行事です。多くの地域住民が楽しみにしているイベントの消失は、地域の魅力低下へと繋がりかねません。
花火大会が減少している一番の理由は、なんといっても資金不足によるものです。自治体の財政難による補助金の減額や、協賛企業の減少により予算が減る一方で、物価高による材料費の増大や、人手不足による警備費の高騰により、開催費用は増加の一途を辿っています。財源の確保として有料席が考えられますが、有料席を増やしすぎると、無料で見られる場所が減ってしまいます。花火大会は主に地域住民のために開催されており、財源に含まれる自治体の予算は、税金によるものです。故に、むやみに有料席を増やすことが必ずしも解決策とはなりません。花火大会存続の為には、新たな財源の捻出が喫緊の課題ですが、近年は、クラウドファンディングやふるさと納税の仕組みを利用して、開催費用の確保を試みる自治体も多く、結果、資金調達に成功している例が多々見られます。毎年開催される花火大会が、当たり前ではなく、運営サイドの様々な苦労の賜物だと思うと、頭が下がります。(祐紀)