進化する都市公園
都市公園の数は年々増加傾向にあり、2022年度末の調査においては、全国に約11.5万ヵ所、1人当たり面積(全国平均)は約10.8㎡/人でした。制度が誕生してから昨年で150年を迎えた都市公園ですが、近年、その在り方が変わってきているようです。
2014年に設置された「新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会」において、都市公園は、①ストック効果をより高める、②民との連携を加速する、③都市公園を一層柔軟に使いこなす、の三つの観点を重視しながら、「新たなステージ」に移行すべきとの方向性がとりまとめられました。更に、2017 年の都市公園法改正により、パークPFI(公募設置管理制度)や協議会制度等、公園に関する新たな制度が創設されました。パークPFI制度は、公園の整備を行う民間の事業者を公募し選定する制度です。公園管理者のメリットとしては、民間資金を活用することで、公園整備、管理にかかる財政負担が軽減され、また、民間のノウハウを取り入れた整備、管理により、公園のサービスレベルが向上し、地域の活性が期待できます。民間事業者は、都市公園内に飲食店や売店等の収益施設を設置することにより、長期的な経営が可能となり、また緑豊かな空間を活用して収益施設に合った広場等を一体的に整備することにより、収益性の向上が見込めます。パークPFIによる公園整備は相次いでおり、全国の都市公園内には、ホテルやキャンプ場、温泉施設等、多種多様な施設が作られています。かの日比谷公園大音楽堂、通称「野音」も、パークPFI方式により建替えを予定しておりましたが、残念ながら公募への応募がなかったようで、東京都の整備となりました。都心の一等地であり、知名度も高い施設に応募がなかったというのは、とても意外です。(祐紀)