PPC台湾大会のご報告
本日は、9月6日から8日に台湾において開催されたPPCについてお話したいと思います。
PPCとは環太平洋地域における各国の不動産鑑定士が集まり行われる国際大会です。今回は新型コロナウィルス感染症拡大以降、2018年のメキシコ大会以来の対面での開催となりました。不動産鑑定士の国際大会と言いますと、どのような雰囲気の中で、どのようなテーマが話し合われるのか、想像しづらい部分もあるかと思います。今回は、世界の鑑定士がどのようなことに興味を持ち、どのような方々なのか、PPC台湾大会を通して、不動産鑑定士という仕事や分野、世界にはどんな鑑定士がいるのか興味を持って頂けたらと思います。
まず、台湾大会の会場の雰囲気についてですが、とても和やかな雰囲気でした。私自身、初めてのPPC参加ということもあり、緊張の方が大きかったのですが、気さくに話かけてくれる方が多く、何気ない会話から鑑定評価に関する話題、自国の抱える問題やあらゆる話題について会話が弾む雰囲気です。鑑定士同士、国は異なっていても繋がっているものがあるのだな、と一体感を味わわせてくれる不思議な空間です。
PPCでは各国のプレゼンテーターが、各々のテーマに関する発表を行います。台湾大会では、3つの部屋に分かれて行われたのですが、各参加者たちは自分が興味のあるテーマに関する発表を選んで聞くことになります。今回、私が聞いた発表は、台湾の不動産に関する問題点もありました。日本でも近年、空家の増加とその老朽化が社会問題となっていますが、台湾でも同様に老朽化した建物は問題となっていて、この問題に関して社会・経済構造からどのようにアプローチしていくのか、現在どのような取り組みがなされているのか、またその問題点など、同じ問題を抱える日本に暮らす私にとっても興味深いものでした。また、公共公益施設の建設が決まった土地価格と周辺の土地取引価格との乖離、植民地時代の遺物として残る土地取引の手続き上の問題、統合型リゾートに係る不動産の鑑定評価に関する考察やアフリカ大陸の有する資源に着目した不動産鑑定評価の関わり方の考察、変化する国際社会における鑑定評価の在り方に関する発表もありました。世界の鑑定士の方々の探求心の強さ、研究の深さに圧倒されるばかりでした。
休憩時間には部屋の外にコーヒーや軽食が用意されており、そこでもまた参加者同士の会話が弾み、とても賑やかで国際色豊かな場となっていました。
本日は鑑定士の国際大会の一つであるPPCについてご紹介させていただきました。 (渡會)