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IRがやってくる

2016年12月に施行された特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR推進法)により、日本におけるIR構想がスタートしてから苦節6年半弱、2023年4月に、ようやく、大阪・夢州地区におけるIR区域整備計画が認定されました。これにより、2030年頃には、我が国にもIRが開業される見込みです。

IRとは、特定複合観光施設の略称であり、「カジノ施設及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするもの」と定義されています。諸外国の事例を挙げると、アメリカのラスベガスや、中国のマカオ、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ等、いずれも世界的な観光地の代名詞ばかりです。具体的に大阪のIRに予定されている施設は、収容人数12,000人以上の国際会議場、多彩なイベントが開催可能な2万㎡の展示施設、大阪・関西の食文化を発信するフードパビリオン、3つのエンターテインメントホテル(総客室数2,500室)等となっております。また、日本各地へのアクセス機能強化のために、大規模なバスターミナルやフェリーターミナルが整備される予定です。そして、目玉のカジノ施設ですが、収容人数は12,000人程度、テーブルゲーム約470台、電子ゲーム約6,400台が設置される計画となっております。規模はIR施設全体床面積の3%程度ですが、この区域で全体の8割以上に相当する収益が見込まれています。

カジノに行ったことがない筆者は、個人的に大阪IRの開業をとても楽しみにしているのですが、ギャンブル依存症対策の一環で、日本人の入場料は6,000円が予定されており、確かに、何度も行くのはちょっと思いとどまる価格だなと思いました。(祐紀)