PPCメキシコ大会への参加報告
日本ヴァリュアーズ㈱ の西川と申します。
10月10日から12日にかけて、メキシコでの不動産鑑定士の国際会議(汎太平洋不動産鑑定士・カウンセラー会議:PPC)に参加してまいりました。
開催地のメキシコは日本から空路で12時間以上かかります。海外に渡航する機会が少ない私にとってはまさに未知の国で、タコス・サボテン・ピラミッドといった月並みなイメージを持ち合わせているだけでした。そんな私が現地で感じたことを本日は皆さんにお伝えしたいと思います。
まずはメキシコの自然についてです。会議の会場はメキシコ北西のティファナという、アメリカとの国境に近い街でした。空港を出た瞬間に凄まじい熱波に襲われるものと思っていたのですが、滞在期間中の気温は25度前後と大変過ごしやすかったです。しかし、空気が乾燥しているため、街を一歩出れば荒涼とした大地が延々と広がり、スケールの大きさに圧倒されます。
では、このメキシコの不動産はどのように利用されているのでしょうか。まず、街が非常に広く感じられます。国土が広いため高層の共同住宅などが少なく、中低層の建物が余裕を持って配されていることが主な要因といえるでしょう。郊外では分譲開発が相次ぎ高級新興住宅街が形成されている様子で、セレブの別荘のような家をいくつも見かけました。
さらに、街から離れると大規模なブドウやオリーブの農場も姿を現します。乾燥した気候はこれらの栽培に適しており、メキシコ産ワインの原料の多くがティファナの周辺で作られているそうです。余談ですが、この農場でワインを頂き、大変美味しかったです。乾燥した気候がワインの香りを引き立たせるのでしょうか。
さて、このような環境下で現地の不動産鑑定士の方々はどのように仕事をしているのでしょうか。私が驚いたのは鑑定評価のスケールも当然ながら大きい点です。現地の方と土地の価格水準についてお話した際に、1㎡単位でなく、数百㎡単位で価格水準を捉えていたことが印象に残っています。また、現地の方の会議における発表の話題として、鉱物や石油などの大規模生産設備に関することが挙げられることも多く、資源国ならではの需要があることが伺えました。
このほか、中南米の国々から多数の鑑定士の方が会議に参加されているのを目の当たりにし、鑑定という仕事の普遍性と重要性を改めて認識しました。また、様々な方とお話させて頂いたことで、私達が当たり前だと考えている日本の不動産のあり方も、日本固有の風土を反映し、独自の発展を遂げたものであることに気づけました。
最後に、メキシコはご飯もお酒も大変美味しく、印象深い経験を沢山得ることができました。是非、皆さんも機会がありましたら、足を運んでみてください。